令和5年度1級土木施工管理技術検定第一次検定を順番に解いてみる件(page-15)

資格試験

【No.36】トンネルの山岳工法における施工時の観察・計測に関する次の記述のうち、適当でないものはどれか。
(1)観察・計測の目的は、施工中に切羽の状況や既施工区間の支保部材、周辺地山の安全性を確認し、現場の実情にあった設計に修正して、工事の安全性と経済性を確保することである。
(2)観察・計測の項目には、坑内からの切羽の観察調査、内空変位測定、天端沈下測定や、坑外からの地表等の観察調査、地表面沈下測定等がある。
(3)観察調査結果や変位計測結果は、施工中のトンネルの現状を把握して、支保パターンの変更等施工に反映するために、速やかに整理しなければならない。
(4)変位計測の測定頻度は、地山と支保工の挙動の経時変化ならびに距離変化が把握できるように、掘削前後は疎に、切羽が離れるに従って密になるように設定しなければならない。

順番に読んでいって、(1)(2)(3)は間違った事は書いてないと思います。では(4)か。
変位計測の測定頻度は、掘削後は「密」に、切羽が離れるに従って「疎」になるように設定します。理由は、掘削した直後が最も不安定な状態(崩れやすい)になるからです。時間が経てば経つほど、変位は小さくなって、落ち着いてくるのです。なので、掘削直後は高頻度で計測して崩れを察知する必要がありますし、切羽が遠のいていけば(先に進んでいけば)地山は落ち着いて来るので、それほど計測を密にしなくてもよくなるのです。
主催者発表の正解は(4)です。

【No.37】海岸保全施設の養浜の施工に関する次の記述のうち、適当でないものはどれか。
(1)養浜材に浚渫土砂等の混合粒径土砂を効果的に用いる場合や、シルト分による海域への濁りの発生を抑えるためには、あらかじめ投入土砂の粒度組成を調整することが望ましい。
(2) 投入する土砂の 養浜効果には投入土土砂の粒径が重要であり、養浜場所にある砂よりも粗なな粒径をを用いた場合、その平衡勾配が小さいため沖合部の保全効果が期待できる。
(3)養浜の施工においては、陸上であらかじめ汚濁の発生源となるシルト、有機物、ゴミ等を養浜材から取り除く等の汚濁の発生防止に努める必要がある。
(4)養浜の陸上施工においては、工事用車両両の搬入路の確保や、投入する養浜砂の背後地への飛散等、周辺への影響について十分検討し施工する。

試験当日は、この問題をパスしました。(1)(3)(4)は正しいことを書いているように思ったのですが、(2)のどこが間違っているのか分からなかったので。で、Google先生に聞きました。
そしたら、千葉県の一宮町のサイトに、非常に分かり易い図がありましたのでリンクはります。

第8回「一宮の魅力ある海岸づくり会議」 8-5.pdf (town.ichinomiya.chiba.jp)

つまり、「養浜場所にある砂よりも粗なな粒径をを用いた場合」(ここまでは正しい)、「沖合部の保全効果が期待できる」のではなく、「砂浜の再生が期待できる」のです。ナンダソウダッタノカー
てっきり、粒形が粗なものを使うという記述が間違いと思ったのですが。沖合部の保全とは全く関係なかった、という。問題文が「海岸保全施設の養浜の施工」ですから、そもそも「沖合部の保全」という単語が出てきた時点で怪しいと気が付かなければ駄目な問題でした。
主催者発表の正解は(2)です。

【No.38】離岸堤の施工に関する次の記述のうち、適当でないものはどれか。
(1)開口部や提端部は、施工後の波浪によってかなり洗堀されることがあり、計画の1基分はなるべくまとめて施工する。
(2)離岸堤を砕波帯付近に設置する場合は、沈下対策を講じる必要があり、従来の施工例からみれば捨石工よりもマット、シート類を用いる方が優れている。
(3)離岸堤を大水深に設置する場合は、沈下の影響は比較的少ないが、荒天時に一気に沈下する恐れもあるので、容易に補強や嵩上げが可能な工法を選ぶ等の配慮が必要である。
(4)離岸堤の施工順序は、浸食区域の上手側(漂砂供給源に近い側)から設置すると下手側の浸食の傾向を増長させることになるので、下手側から着手し、順次上手に施工する。

この問題も当日はパスしてます。全く分からなかったw
主催者発表の正解は(2)なので、見ていきいます。

「離岸堤を砕波帯付近に設置」でGoogle先生に聞きました。結果、
平成30年度の1級土木施工管理技術の過去問(選択問題 問37)がヒットしました!

離岸堤に関する次の記述のうち、適当でないものはどれか。
1 .砕波帯付近に離岸堤を設置する場合は、沈下対策を講じる必要があり、従来の施工例からみればマット、シート類よりも捨石工が優れている。
2 .開口部や堤端部は、施工後の波浪によってかなり洗掘されることがあり、計画の1基分はなるべくまとめて施工することが望ましい。
3 .離岸堤は、侵食区域の下手側(漂砂供給源に遠い側)から設置すると上手側の侵食傾向を増長させることになるので、原則として上手側から着手し、順次下手に施工する。
4 .汀線が後退しつつある区域に護岸と離岸堤を新設する場合は、なるべく護岸を施工する前に離岸堤を設置し、その後に護岸を設置するのが望ましい。

https://kakomonn.com/1dobokusekou/questions/37623

今回:「捨石工よりもマット、シート類を用いる方が優れている」=X
過去問:「マット、シート類よりも捨石工が優れている」=〇

今回が問38、前回が問37。5年後に同じようなタイミングで出題されてますねえ。
やっぱり過去問を解いておく事は、大事です。

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