令和5年度1級土木施工管理技術検定第一次検定を順番に解いてみる件(page-09)

資格試験

【No.20】下図に示す(1)~(4)のコンクリート構造物のひび割れのうち、水和熱に起因する温度応力により施工後の比較的早い時期に発生すると考えられるものは、次のうちどれか。

DHP-A.smd (jctc.jp) 一般社団法人全国建設研修センター様サイトより転載しております

まず、水和熱とは、ですが。コンクリートが固まるには、水和熱が必要です。
水とセメント(等)が水和反応を起こすことにより、水和熱が発生し、この反応熱でコンクリートの温度が上昇して硬化します。だから気温が高い中で施工する場合は、急激に温度が上がり過ぎるので、温度上昇が遅延する剤や材を使ったりする(固まるのが早いと、早期強度はでるけど長期強度は低くなる)し、寒い中で施工する場合は、水和反応を促進するような剤や材を使ったりする(水和熱が少ないと硬化するのに時間がかかり過ぎる)んです。
それと、厚さが800m(80cm)を超えるコンクリートの事を「マスコンクリート」と呼ぶことも予備知識として持っていたら、あぁ、ダムとかの工事のヤツかと思い出せれば、一歩先に進めたも同然。

そう考えると、まず(2)は違うことがわかります。これは沈みひび割れですかね。セパレータがあるところは沈下量が少なくて、セパレータがないところ(セパレータのすぐ横)は沈下量が多くなってしまうので、沈下量に差がでてきてひび割れしちゃうヤツですね。

(3)は、何か分かりませんでしたw 後から調べたらコールドジョイントって出てきました。
え?これ、コールドジョイントなん?って納得できなかったんですが。コールドジョイントって打ち継ぎ目に出てくるヤツでしょ?打ち継ぎ目がこんなに雑で良いの?

(4)の亀甲状のひび割れは、アルカリシリカ反応によるひび割れだそうです。はい、試験では分からなかったので回答しませんでしたw

主催者発表の正解は(1)でした。

【No.21】河川堤防の盛土施工に関する次の記述のうち、適当でないものはどれか。
(1)築堤盛土の締固めは、堤防法線に平行に行うことが望ましく、締固めに際しては締固め幅が重複するように常に留意して施工する必要がある。
(2)築堤盛土の施工中は、法面の一部に雨水が集中して流下すると法面浸食の主要因となるため、堤防横断方向に3~5%程度の勾配を設けながら施工する。
(3)既設の堤防に腹付けを行う場合は、新旧法面をなじませるため段切りを行い、一般にその大きさは堤防締固め1層仕上がり厚の倍の20~30cm程度とする事が多い。
(4)高含水比粘性土を盛土材料として使用する際は、わだち掘れ防止のために接地圧の小さいブルドーザによる盛土箇所までの二次運搬を行う。

(2)と(4)は適当であるとすぐに分かったんですが・・・。(1)と(3)で迷いました。
いや、正確に言います。全部が正しいと思えたんです、当日は。
「腹付け盛土」「段切り」「まき出し」などの単語でGoogle先生に聞いてみた結果、川崎市の資料でこういうのが出てきました。
<4D6963726F736F667420576F7264202D2081A3874391E682518FCD90B793798C7689E62E646F63> (city.kawasaki.jp)

コレ見たら、1層の厚さが50cmですね・・・?という事は、「堤防締固め1層仕上がり厚の倍の20~30cm程度とする事が多い。」の部分が間違い?でしょうか。
「堤防締固め1層仕上がり」が「20~30cm程度」が正解で、「既設堤防に腹付けを行う場合は」それの倍である「40cm~60cm程度にする」というのが正しい文章になる、ということでしょうか。

主催者発表の正解は(3)でした。

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