消えていく家族の顔 ~現役ヘルパーが描く認知症患者の生活~を読んだ。

使ってみた

ウチには、というべきか、ウチにも、というべきか。認知症の母がいます。同居してます。
突然、認知症になるのではなくて、徐々に蝕まれていくんですよ、母も、自分も。
コップに少しずつ水が注がれていって、それがやがて溢れてこぼれるように、ある日突然「自分が我慢できなくなる瞬間」がきて、そして、ダメだと分かっているのに母に対してキツく当たってしまうんです、ある日突然に。
同じことを何回も言うとか、幻聴・幻覚を信じるとか、めっちゃ攻撃的な文言で攻めてくるとか、杖を振り回して暴れるとか、ウチの母は想像してたより大変です。

ケアマネさんとか、ケアマネさんが紹介して下さった医師の尽力がありまして、最近では随分と大人しくなり、幻覚とか幻聴はあるんですが、100%そっちを信じることも少なくなりましたし、杖振り回して暴れることもなくなりました。同じ事を何回も言うっていうのは、有ります。無くなりませんねw
その、ちょっと落ち着いた状態の時に、この本を知りました。

カスタマーレヴューが高かったので買ったのですが。
認知症の当事者の方々にはこう見えているとか、こう考えてしまう、というのは参考になりましたし、今までの謎だらけの母の行動にも納得いくことも多々ありましたし、それによってこちらがとるべき行動とかとるべき思考っていうのも分かってきて、母との間のトラブルが減った、という良かった点はありました。
でも、レヴューで「泣いた」とか「読んだ後の気分が重い」とか「救いようがない」とか出てるんですが、そういう感情は出てこなかったですね。買った目的が違うからかな?とか思ってますけど。

なにも認知症の母に対してだけではなくて、会社でも仕事でも、相手の思考とか行動の元になっているモノが分かれば、こっちも対処のやり方が分かりますよね。だから、腹もたたないし、もし間違っていたとしても修正すればおKだし。これはサイコパス的な考え方なのでしょうか。つまりは、ウチ奥さんは母に対してイライラしている事が多いんですよ。たぶん、自分の思い通りにコトが進まないからでしょうね。色々と予定も仕事もある中での介護ですから。私とは考え方が違うようです。ウチの奥さんがこの本を読んだら、レヴューで「泣いた」とか「読んだ後の気分が重い」とか「救いようがない」とか書くのかもしれません。

ウチの奥さんは、私が「息子」だから母は比較的私の言う事を理解するし、言う事を聞く的な考えを持っていると思います。口には出しませんが。それは有るかもしれません。理屈で、あれこれ考えて対処しようとしても、その理屈を超えた感情であるとか、思いであるとか、そういうモノが出てくると、やっぱり肉親は違うのかもしれません。そうか、そういう内容に関しては、この本にはあまり描かれてなかったように思いますね。

期待外れ、ではないですけど、個人的には★3つくらいです。でも、この本を読むことによって、介護する側の人が、少しでも救われるのであれば、それは読むべきだと思います。読んだうえで、参考になるかならないかを判断すればいいので。読まないと、判断もできません。

コメント

タイトルとURLをコピーしました