【No.06】コンクリート用骨材に関する次の記述のうち、適当でないものはどれか。
(1)異なる種類の細骨材を混合して用いる場合の吸水率については、混合後の試料で吸水率を測定し規定と比較する。
(2)凍結融解の繰り返しに対する骨材品質の適否の判定は、硫酸ナトリウムによる骨材の安定性試験方法によって行う。
(3)砕石を用いた場合にワーカビリティの良好なコンクリートを得るためには、砂利を用いた場合に比べて単位水量を大きくする必要がある。
(4)粗骨材は、洗浄、堅硬、劣化に対する抵抗性を持ったもので、耐火性を必要とする場合には、耐火的な粗骨材を用いる。
(2)は正しいです。硫酸ナトリウムが結晶する時に体積が増える事を利用して、水が凍結する時にも体積が増える事による膨張を再現して、安定性の試験をします。
Blog AtoZ様のサイトに分かり易い解説がありましたので、紹介させて頂きます。
https://kenchik.info/2020/03/12/stability/
(3)の「ワーカビリティ」とは、コンクリートを打つ時の作業性の良さの事です。固練りのコンクリートよりも、シャバシャバなコンクリートの方が作業性は良いです。でも作業性の他はダメダメですが。
砂利と砕石の違いって、表面積の大きさです。砂利は「丸まっている石」、砕石は文字通りの「砕いて割れた石」で、砕石の方が表面積が大きくなります。 表面積が大きくなるという事は、単位水量を増やす必要があるので、正しいです。
(4)も正しいです。
(1)ですが。
異なる種類の細骨材を混合して使用する場合は、混合する前の各細骨材について吸水率の品質が満足できていなければならないんです。例えそれが混合した後の細骨材の吸収率が満足する値であっても、なんです。
【N0.07】コンクリートに用いるセメントに関する次の記述のうち、適当でないものはどれか。
(1)普通ポルトランドセメントは、幅広い工事で使用されているセメントで、小規模工事や左官用モルタルでも使用される。
(2)早強ポルトランドセメントは、初期強度を要するプレストレストコンクリート工事等に使用される。
(3)中庸熱ポルトランドセメントは、水和熱を抑制することが求められるダムコンクリート工事等に使用される。
(4)耐硫酸塩ポルトランドセメントは、製鉄所から出る高炉スラグの微粉末を混合したセメントで、海岸など塩分が飛来する環境に使用される。
(1)は、そのまんまですので外します。
(2)は、早強ポルトランドセメント=早く固まる=初期強度が出るけど長期的にはアカンやつなので、初期強度が必要な現場で使われます。
あと、プレストレストコンクリート=prestressed concrete=あらかじめ(=プレ)圧縮する力(=ストレス)を与えられた(stressにedがついて受身形になる)コンクリートの事だと分かっていたら、間違いなく外せますね。
(3)中庸=平凡だと覚えてます。中庸熱=熱の発生が平凡、つまり熱の発生があまりないんです。水和熱を抑制する事が求められるダムコンクリート工事等に使用されるので、正しいので外します。
残るは(4)ですね。
(4)耐硫酸塩ポルトランドセメントをググってみると、UBE三菱セメント株式会社様のサイトに載っておりました。
耐硫酸塩ポルトランドセメントは、土壌、地下水および下水などに含まれる硫酸塩による劣化作用を受けにくく、構造物の長期耐久性保持に効果的です。
https://www.mu-cc.com/products/cement/sulphate-resisting-portland.html
海岸など塩分が飛来する環境に使用されるわけではありません。よって(4)が正解になります。
セメントに関して非常に分かり易くまとめてあるYouTubeがありますので、貼っておきます。
【No.08】コンクリート用混和材料に関する次の記述のうち、適当でないものはどれか。
(1)フライアッシュを適切に用いると、コンクリートワーカビリティを改善し単位水量を減らすことができることや水和熱による温度上昇の低減等の効果を期待できる。
(2)膨張剤を適切に用いると、コンクリートの乾燥収縮や硬化収縮等に起因するひび割れ発生を低減できる。
(3)石灰石微粉末を用いると、ブリーディングの抑制やアルカリシリカ反応を抑制する等の効果がある。
(4)高性能AE減水剤を用いると、コンクリート温度や使用材料等の諸条件の変化に対して、ワーカビリティ等が影響を受けやすい傾向にある。
(1)は、そのまんまです。選択肢から外します。フライアッシュを使うと、単位水量は減るのにワーカビリティが良くなり(固練りではなく、スルスルになる)、単位水量が減るから水和熱(水と反応する事によって発生する熱。水が少なくなったら当然トータルでの発熱量は少なくなる)が少なくなるんです。
(2)は、乾燥収縮(マイナス)とか硬化収縮(マイナス)に対して膨張剤(プラス)をあてるので、プラスとマイナスで、膨張と収縮がプラマイゼロになる=起因するひび割れの発生を低減できる、という理屈です。選択肢から外します。
(3)石灰石微粉末を使うと、「初期強度を促進させるが長期強度には寄与しない」という利点が出てきます。ブリーディングの抑制にはなるのですが、アルカリシリカ反応の抑制にはなりません。
国土交通省のサイトにこういうPDFがありました。
2.抑制対策 構造物に使用するコンクリートは、アルカリ骨材反応を抑制するため、次の3つの対策の中のいずれか1つについて確認をとらなければならない。なお、土木構造物については2.1、2.2を優先する。
https://www.mlit.go.jp/kisha/kisha02/13/130801/130801_1.pdf
2.1 コンクリート中のアルカリ総量の抑制 アルカリ量が表示されたポルトランドセメント等を使用し、コンクリート1m3に含まれるアルカリ総量をNa2 O換算で3.0kg以下にする。
2.2 抑制効果のある混合セメント等の使用 JIS R 5211高炉セメントに適合する高炉セメント[B種またはC種]あるいはJIS R 5213フライアッシュセメントに適合するフライアッシュセメント[B種またはC種]、もしくは混和材をポルトランドセメントに混入した結合材でアルカリ骨材反応抑制効果の確認されたものを使用する。
2.3 安全と認められる骨材の使用 骨材のアルカリシリカ反応性試験(化学法またはモルタルバー法)の結果で無害と確認された骨材を使用する。
アルカリシリカ反応の抑制には、アルカリ骨材反応を抑制しなければならないのに、石灰石微粉末って、アルカリ性なんすよねw アルカリ性水溶液の元の1つといってもいいんですかね。とりあえず、アカンやつですよね。
(4)は、惑わすように微妙な言い回しをしています。いやらしい書き方ですね。
高性能AE減水剤は、コンクリートの練混ぜ時に他の材料とともにミキサに投入して用いる混和剤であり、空気連行性能を有し、通常のAE減水剤より高い減水性能、良好なスランプ保持性能を備えている。普通コンクリートのAE減水剤等をこの混和剤に置き換えることによって単位水量及び水セメント比を変えないで、ワーカビリティーを増大させたコンクリート(以下、流動化コンクリートと称す。)を得ることができる。
http://www.skr.mlit.go.jp/etc/ryuudoukatebiki.pdf
つまりは影響を受けやすいってことなんすけどね。
結果、(3)が適当でないものになるので、(3)が正解になります。
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