東洋経済ONLINEの、鴻上 尚史 2022/10/15 16:00のエントリー、『鴻上尚史のほがらか人生相談』から、一部を抜粋です。
友人がいない人は｢おみやげ関係｣がわかってない ｢本当の友達って何｣と悩む17歳への沁みる言葉 (msn.com)
全文は少し長いのですが、是非是非読んで頂きたい。「本当の友達が欲しい」と切に願う、17歳の高校生の相談に、鴻上 尚史氏が答えています。
自分の事になりますが、学生時代から友達ってあんまり要らんなタイプでした。自分がやりたい事をやるのが優先順位が高いので、人と一緒に何かをするっていうのが中々上位にこないんですな。だからほとんど一人で行動してました。一人っ子で両親は共働き。結果として自分一人で居る時間が長く、それが普通であったから、学校で一人でもそれが普通であったわけです。
が、寂しくなかったかと言われれば、それは寂しい思いをしたこともありますよ。ここからが、鴻上氏の「おみやげ関係」に気が付くわけです。
去る者は追わず来る者は拒まず。このスタイルでいると、当然ながらグループになんか入れません。ま、いいんですよ。グループになんか入らなくても。自分の好きなようきできる訳だし。
そうこうしていると、無理をしてグループに入っていたヤツが、それなりに息苦しくなって、グループから離脱してボッチになるわけですよ。おそらくボッチになるのは怖いと思いますよ。でも、そいつはグループにいる息苦しさよりも、ボッチの怖さをとったんです。これは今思うととても勇気がいる行動だと思うし、よくやったなと思います。
でも、そいつは、私がボッチでいても平気でいる事に勇気を貰えたらしいんです、ってｼﾗﾝｶﾞﾅ
で、ボッチ同志気が付けば仲良くなっていた、という事がありました。
だから、仲良くなったきっかけなんて、覚えてません。たぶん、そいつが話しかけてきたんでしょう。来る者は拒まずなので、私も話を返したのでしょう。うん、おみやげ関係です。この関係は心地いいです。ホントです。
お互いがお互いのことにまったく興味がないのに、ひとりになりたくないから友達のふりをしている人たちはいます。そういう人たちは、相手の話を聞かないで自分のことだけを話します。そして、心の深い所で相手に退屈していたり、バカにしていたりします。何人かで話していて、一人がトイレに行くと、すぐにその人の悪口が始まる集団は、そういう人たちが集まっているのです。
https://www.msn.com/ja-jp/news/opinion/%E5%8F%8B%E4%BA%BA%E3%81%8C%E3%81%84%E3%81%AA%E3%81%84%E4%BA%BA%E3%81%AF-%E3%81%8A%E3%81%BF%E3%82%84%E3%81%92%E9%96%A2%E4%BF%82-%E3%81%8C%E3%82%8F%E3%81%8B%E3%81%A3%E3%81%A6%E3%81%AA%E3%81%84-%E6%9C%AC%E5%BD%93%E3%81%AE%E5%8F%8B%E9%81%94%E3%81%A3%E3%81%A6%E4%BD%95-%E3%81%A8%E6%82%A9%E3%82%8017%E6%AD%B3%E3%81%B8%E3%81%AE%E6%B2%81%E3%81%BF%E3%82%8B%E8%A8%80%E8%91%89/ar-AA12YSLO?ocid=msedgdhp&pc=U531&cvid=3e328afc85ad4c508f84e79a3d0547ab
でも、別れないのは、ひとりはみじめで、さびしいと思っているからです。
ちなみに言うと、そういう恋人同士もいます。本当は相手のことをちっとも好きじゃないのに、さびしくて、恋人がいないと思われたらみじめだからつきあっている人たちです。
苦痛とみじめさを天秤にかける
僕は、そういう人を見るたびに、「そんな相手とつきあう苦痛」と「みじめでさびしいと思う気持ち」を天秤にかけます。
どういう意味かわかりますか？ さびしさやみじめさから友達になった相手といると、本当の友達ではないですから苦痛を感じます。でも、もし、そういう関係がいやだと拒否して友達にならなかったら、みじめさやさびしさを感じます。
どっちを選んでも、マイナスの気持ちが生まれます。だったら、どっちのマイナスの気持ちのほうが大きいかを考えるのです。
あさひさんは、どっちの気持ちのほうが大きいですか？
どっちの気持ちのほうがいやですか？
えっ？ そんなこと考えたこともない？ では、考えてください。ゆっくりと。落ち着いて。自分はどっちがいやなのか。もちろん、パッと考えれば、どっちもいやです。でも、じっくり考えると、どっちのほうがよりいやか、微妙な違いを感じてきませんか？
究極の選択ですね。「うんこ味のカレーとカレー味のうんこ」のどっちを選ぶのか。
「本当の友達とは思ってくれない人たちといつも一緒にいる」か「ひとりでお昼をたべたり教室を移動したりする」か。
でね、あさひさん。
この究極の選択に答える前に、もし、あさひさんが「みじめでさびしいのはいやだから友達が欲しいんじゃないです。私は本当の友達が欲しいんです」と思ったとしたら――。
では、僕は聞きます。あさひさんにとって、本当の友達はどういう人ですか？ もっと簡単に聞くと、「どんな人と友達になりたいですか？」。
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