「億男」をみた。

気になっていること

2018年の映画なんですけど、2022年にTELASAでみた。
原作があっての映画化したやつなんすけど、みて良かったです!
佐藤健も高橋一生も良かった!
北村一輝も、いい味だしてた。
藤原竜也に関しては、コメントを差し控えます。だって、好きちゃうねんコイツ。

お金(おかね)って何?
1万円(いちまんえん)って何?いや、1万円札(いちまんえんさつ)って何?
あ、その前に、3千万円の借金って何?
あるモノには100円も払いたくないのに、別のモノには10万円払えるって、どゆこと?
お金が大好きな無能なサイコパスの私には、かなり経済的なトコロが特に興味もちました。
ただ、たまたま私は落語も好きで、「芝浜」って噺を知っていたからよかったんですが、知らなかったら面白味が減ってましたね。
なので、まずは落語「芝浜」の説明からw

熊さんって人がいて、デリバリーの魚屋さんやってる。朝早く市場に魚を仕入れにいって、天秤棒に桶を2つぶらさげて売り歩くんですけど、その場で魚を3枚におろしてくれたり、刺身にしてくれる。
腕はいい、魚は旨いってんで、評判の良い魚屋さん。
でもこの熊さん、お酒が大好きで、しょっちゅう呑みすぎて、朝起きれなくて市場に仕入れいけなくて商売ができなくなって、よけいにやけ酒増えて朝起きれなくてって負のループに入ってしまったんだ。
半月以上商売しなかったもんだから奥さんが痺れ切らして、早朝から熊さんを叩き起こして、無理矢理仕入れに行くようにしむけたんだ。
熊さん、市場に直接行かずに浜辺(ここで地名の芝浜がでてくる)で朝日が昇ってくるのを眺めて、心洗われて、海の水で顔洗って身を清めようと思って海にざぶざぶ入っていくと、足に何かがあたるんだ。拾ってみてみると、大金(50両ほど)が入ってる。慌てて家に帰って奥さんに預けて、家に残ってたお酒を飲んで、また寝ちゃうんだ。
今度起きると「銭湯に行ってくる」って言って出かけて行っちゃって、帰ってくる時に友達をたくさん連れて帰ってきて、皆でどんちゃん騒ぎをするんだ。お金あるからね。
で、酔って、寝ちゃうんだ。
次の朝、また奥さんに起こされるんだけど、熊さんはお金があるから働かないっていうんだけど、奥さんは夢だっていい切って、熊さんを働きに追いやるんだ。熊さん、腕はいいからすぐにお客が戻ってきて、そこから3年、酒も飲まずに一生懸命に働くんだな。
その3年経った大晦日、奥さんが打ち明けるんだ。謝るんだよ、騙しててゴメンなさいって。1年経って、落とし主が現れなかったからって、交番から50両返ってきたんだけど、また熊さんが酒浸りになるのが怖くて隠してましたって。借金もツケも無くなって、真面目に働いてる熊さんでなくなるのが嫌だったんだって。殴るなら殴れ!って。
でも熊さん、すまないって奥さんに謝るんだよ。3年前の自分はバカだった、それを立ち直らせてくれてありがとうって謝るんだよ。
で、ケンカしたワケではないんだけど、2人仲直りして、奥さんが熊さんにお酒をすすめるんだ。お祝いだって。でも熊さん、一度はもう酒は飲まないって決めたからって、呑もうとしないんだけど、奥さんは、まあ1杯だけってすすめるんだ。熊さんも、まあ、そうだな、1杯だけならって飲もうとするんだけど、直前で止めるんだ。

「やっぱりやめとくよ。夢になっちゃあ、いけないからね。」

はい、ここから下はネタバレあります。本読む人は本読んでから、映画観る人は映画観てからどうぞ。
大倉一男(以下かずお)を中心にして話が進む。
一男は、3千万円の借金がある→福引で当たった宝くじが3億円当たる→古河九十九(以下つくも)に全額持ち逃げされる→色々あって競馬で1億円当てる→競馬で1億円はずす→3億円が返ってくる、というお金がいってこいする間に、何が、どう変化するのかっていうお話。
「お金とは何か?」もっと正確というか厳密にいうと「日本銀行券とは何か?」という問いの答えの一面を的確に示していて、非常に面白い。

他人の借金の連帯保証という負債があれば、夜も寝ないで働いて、自由時間を失い、睡眠時間を失い、家族を失い、思いやりを失い、冷静な判断ができる自分さえも失う。
はい、3億円手に入りました。はい、これで失ったモノ全部取り返すんやでー!と思ってたら一番信頼していた人に持ち逃げされましたー!!探さなきゃ。
探している途中で、競馬する事になりました。適当に数字いったら、1億円になりました。勧められてその1億円でまた馬券買ったら今度は外れました。がっかり。でも実は馬券買ってなかったので、1億円取ってへんし、1億円負けてませーん!って事が分かりました。ん?1億円って、何なん?
探している途中で、変なセミナーに参加しました。その中で、1万円札を1枚、もらいました。でも、その1万円札は、ゼロ円だと言われました。は?1万円でしょ。いや、あなたはそれをゼロ円で手に入れました。だからゼロ円ですよ。は?1万円でしょ?いやゼロ円です。ゼロ円なので、破っても大丈夫です、破りましょう!w は?ムリ。→でも結局破いたwww
探している途中で、手に入れた大金を一切使わず、質素に生活している人に会いました。めちゃ質素。前の2人とは真逆。お金(日本銀行券)に囲まれて(壁に札束が埋め込まれている)質素に暮らすって、何なん?お金って、使ってナンボとちゃうん??

それらの過程の中で、回想として、かずおとつくもの関係が描かれる。落研入る前の出来事も、講壇の出来事も、2人でモロッコ(?)に旅に出るきっかけとか、その旅の中で何があったのか、しみじみと描かれていた。そうなんだよ、つくもくんは、かずおくんの大切なお金を持ち逃げするようなヤツでは絶対ない!って確信したとき、つくもくんが現れるんだ。「かずおくんが持ってきた時と1gも変らない」って。ここですよ、ここ!3億円を重さで言ってるんですよ!1g=1枚=1万円なんですけど、つくもくんには、3億円ってのは、そういう事なんですよ。1枚も盗ってないよと言わないんですよ。
1g が 30,000枚 で 30kg。これと1gも変らないって。コイツアタマイイナー

つくもくん、かずおくんに聞くんですよ。一番最初にみた3億円と、今見た3億円と、一緒に見えるかって。そんでかずおくんは、全く違うモノに見えるって応えるんですよ。
モノは一緒なんですよ?日本銀行券の1万円札が3万枚。でも、別物に見えるって言うんですよ。
ここは、ここだけ切り取ってもダメです。最初からずっと(例えば)1万円札の価値について考えながら進んでいかないと、破壊力は小さいです。分かる人には響くと思いますよ。

この映画をみて、お金とは?日本銀行券とは?借金とは?3億円とは?って、なんとなくでも分かったような気がする人は、例えば宝くじで3億円とか当選しても、不幸にはならないと思います。大丈夫です。日本銀行券という紙切れ、1枚1gしかないんですよ、それに振り回される事はないと思います。
ま、幸か不幸かは、その人次第なんすけどね、結局は。

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